大規模修繕工事を行うにあたって専門のコンサルタントを雇うかどうか悩んでいる人も少なくないでしょう。
ですがどのコンサルタントを選べばよいのか、コンサルタント選びに失敗したくないと考えている人も多いかと思います。
そこで今回は大規模修繕工事を行う際に雇うコンサルタントの正しい選び方について解説していきます。
目次
大規模修繕工事におけるコンサルタントの役割とは
さまざまな分野においてコンサルタントという役割を持った人が存在していますが、
大規模修繕工事におけるコンサルタントとは工事における専門的な知識や技術を有して建物の資産価値を守るサポートをしてくれる人を指します。
設計管理方式という施工業者や管理会社とはまた別の立場の人を介す方法の際にこのコンサルタントを入れ、修繕箇所を記した設計書の作成や施工管理を行ってもらいます。
建物の所有者が施工業者や管理会社と直接やりとりをするわけではなく、その間に建って大規模修繕工事がより円滑に進むようにサポートする役割を担っています。
大規模修繕工事におけるコンサルタントはどのような業務を行うのか
業務内容 ① 建物診断(劣化診断)および調査報告書の作成
コンサルタントはまず、そもそもの大規模修繕工事の必要性を計るために建物の劣化状況を確認して工事の必要性の有無を判断します。
また、大規模修繕工事が必要だと判断した場合はその工事の箇所や修繕のタイミングなどについて細かく把握するために建物全体の調査をし、これをもとに大規模修繕工事の工事内容を検討していきます。
主な調査の内容は以下の通りです。
- 外壁や屋上の劣化調査
- 上記以外の建物内調査
- 設備関係の調査(空調や電気など)
- 外構や外部造作の設備調査
- 事前調査、入居者へのアンケート調査の実施
業務内容 ② 改修設計業務
改修設計業務では建物診断の結果をもとに大規模修繕工事でどのような工事を行うのか、その工事の工法や仕様なども決めていき、仕様書を作成していきます。その中で予備費を含めた工事予算のとりまとめなども併せて行っていきます。
また、大規模修繕工事の内容が決まったら次に今回の工事をどこの施工業者に依頼をするのかを決めていきます。
会社の選定には施工業者から提示された見積もりやその施工会社の施工実績、能力などから吟味する必要があり、建築についての知識や工事の内容について知識のない一般人では中々決めかねてしまう部分があります。
そんなときにコンサルタントが仲介に入ることで、その大規模修繕工事に適した施工会社を選ぶことが出来るのです。
業務内容 ③ 工事監理業務
工事監理業務ではコンサルタントが第三者の目線で工事の段階ごとに検査を行い、大規模修繕工事が仕様書の通りに行われているかチェックを行います。
専門的な知識を持っているコンサルタントだからこそ行うことができる業務なので、コンサルタントを取り入れる中で得られる大きなメリットのひとつでもあります。
また、定期的に修繕委員会の打ち合わせにも参加し、入居者からの要望や相談を施工会社の現場監督に伝えてくれるというのもメリットの一つです。
業務内容 ④ 工事後の報告書の作成、アフター点検業務
大規模修繕工事が完了したらコンサルタントが工事の報告書をまとめます。
また、コンサルタントは大規模修繕工事後の施工会社によるアフター点検に立ち合い、建物のチェックを一緒に行います。
ここで不具合などを確認し、必要があればメンテナンスを行うためにメンテナンス計画を作成し、管理組合への連絡を行います。
大規模修繕工事におけるコンサルタントの選び方
選び方 ① 実績が豊富なコンサルタントを選ぶ
大規模修繕工事の実績が豊富なコンサルタントを探すことが失敗のないコンサルタントの選び方の第一歩です。
実績な豊富なコンサルタントほど大規模修繕工事のノウハウを多く持ち合わせている他、技術力も高いです。
選び方 ② 口コミや評判の高いコンサルタントを選ぶ
ネットや実際にコンサルタントを雇って大規模修繕工事を行った経験のある知り合いなどの口コミ、評判を参考にするのも選び方の一つです。
大規模修繕工事の技術以外にも担当者の人柄や対応の良し悪しも長期的な時間を有する大規模修繕工事には重要です。
選び方 ③ 管理組合のスタンスや方針を理解してくれるコンサルタントを選ぶ
管理組合の大規模修繕工事に対するスタンスや方針を理解してくれるコンサルタントを探すことで工事を進めていく中での認識のずれや考え方の不一致を防ぐことができます。
選び方 ④ 自身の大規模修繕工事と類似する実績があるコンサルタントを選ぶ
実績の豊富さも大事ですが、今回自身が行おうとしている大規模修繕工事と似た工事の実績があるかというのも確認しておく必要があります。
たとえ実績が豊富だったとしても行ったことのない工事内容だった場合に満足いく工事になるという保証はありません。
しっかりとしたコンサルタント選びを行って失敗のない大規模修繕工事にしよう
コンサルタントを雇う際に今回ご紹介したような選び方に注意することでトラブルや失敗を最小限に抑えることができます。
不適切なコンサルタントを選ばない為にも事前の下調べなどは徹底して良いコンサルタントと巡り合えるようにしましょう。