大規模修繕工事中は空き巣に注意!!住民にも防犯意識を呼びかけ、セキュリティ対策を徹底しよう!

大規模修繕工事においては騒音や異臭など、事前に気をつけておきたいことがいくつかありますが、その中でも重要視しておきたい問題が『セキュリティ』です。

大規模修繕ではマンションを覆うように足場が組まれるため、工事中は上層階のバルコニーへも簡単に空き巣が侵入できてしまうのです。またマンション全体に養生シートが張り巡らされているため、外からも見えにくいといった空き巣に好条件な状態でもあるのです。

もちろん施工会社も、空き巣に対するセキュリティ対策は万全で挑みますが、それでも被害を100%阻止できるとは限りません。

そこで重要となるのが「管理組合」と「住民」のセキュリティ対策、防犯意識です!!

今回は大規模修繕工事で注意しなければならない空き巣被害とセキュリティ対策について解説いたします。

大規模修繕で発生しやすい空き巣被害について

大規模修繕工事中は空き巣や盗難が発生しやすい傾向にあります。

警視庁の調査結果によれば、2021年度の空き巣を含む侵入窃盗は全国で44,093件発生しています。(令和2年の刑法犯に関する統計資料)

そのうちの4,568件は共同住宅で起こっており、一日当たりにすると12件とそれほど多い数字ではないことが分かります。さらに大規模修繕工事中のマンションに起こった空き巣被害であるとも限りません。

ですが、マンションの大規模修繕工事中は紛れもなく空き巣が侵入しやすい環境であり、実際に2017年9月、福岡市内において大規模修繕工事の実施期間中に空き巣被害が連続発生する事件が起こっています。

ではなぜ大規模修繕工事中は空き巣被害が起こりやすくなるのでしょうか。次の項目で説明いたします。

大規模修繕の足場や養生シートが空き巣被害を招く

大規模修繕では、以下のような理由から空き巣被害が発生しやすくなります。

・足場がかかり、上層階のバルコニーでも侵入しやすい
・足場周りは養生シートで覆われているため、侵入しても外から見えにくい
・業者や関係者などたくさんの人が出入りする
・工事の騒音によって窓ガラスを割る音などが紛れやすい

大規模修繕工事中は、工事業者や関係者などが出入りするためオートロックを解除していることが多いです。これにより空き巣犯は工事業者や住民になりすまし侵入することは容易で、マンションの下見がしやすい状況になるのです。

また、マンションの屋上まで設置された足場と養生シートで外からバレずに簡単に侵入することができるうえ、上層階の住民は特にバルコニーからの侵入に対する防犯意識が低いため、施錠忘れが目立ち、空き巣被害が起こりやすくなるのです。
たとえしっかりと施錠がされている家でも、空き巣犯は工事の騒音に紛れて窓を壊し侵入する危険性もあります。

さらに、鍵を持つ住民の階しかエレベーターが止まらないようなセキュリティが厳しいマンションでも、大規模修繕工事中には簡単に共有廊下やバルコニーに侵入できてしまうのです。

大規模修繕で強化しておきたい空き巣被害を防ぐ7つのセキュリティ対策!

以上のようなことから大規模修繕工事の実施期間には空き巣が侵入しやすいため、より一層セキュリティを強化しなくてはならないのです。

大規模修繕工事前に住民へ「工事工程表」を配る

空き巣被害に備えて、大規模修繕の着工前に「工事工程表」を住民へ配っておくことをおすすめします。

工事工程表では、外壁塗装工事のために足場や養生シートが設置されるタイミングを把握できるため、玄関や窓、バルコニーの戸締まりを予め徹底させることができます。

ただ、天候の影響で工期が延期することもあり、工事工程表に記載された日程からズレが生じることもありますので、工事の進捗状況等を毎日報告してもらうなど管理組合の柔軟な対応も必要です。

センサーライトや防犯カメラなどを設置してもらう

動きに反応してライトが自動点灯する「センサーライト」や「防犯カメラ」は空き巣犯が最も嫌う存在です。

特に防犯カメラは映像に記録されるため、万が一空き巣被害が発生しても犯人を捕まえるための有力な証拠にもなるので、業者に依頼して足場を中心に空き巣が侵入しやすい箇所には必ず設置してもらいましょう。

また“防犯カメラ作動中⚠”といった文字が書かれたターポリンの設置も併せて行うと良いでしょう。

足場の出入り口は暗証番号付きを採用

足場の出入り口を施錠しておくことは空き巣被害を阻止するためにとても重要です。

現在では、暗証番号付きの出入り口の扉を採用する業者が多くあり、暗証番号を知らない者は中には入れないことで空き巣被害の発生を繋がっています。

「うっかり鍵をかけ忘れた…」なんていうことがないよう、暗証番号付きの出入り口扉を施工業者に依頼しておきましょう。

オリジナル作業着で関係者かどうか瞬時に判断

施工業者によっては自社のオリジナル作業着やヘルメットを着用するところもあるなど、バルコニーにいる作業員が関係者かどうかひと目で見極めることができます。

たくさんの関係者が出入りする大規模修繕工事において、作業員を見極めることは防犯対策に

警備員による巡回でセキュリティ強化

大規模修繕工事中は警備会社に依頼して、警備員にマンションをことも空き巣犯罪には有効です。

大規模修繕期間中に盆休みや年末年始など長期休暇を挟む場合には、足場がそのまま設置された状態になります。そのため、長期休暇に入る際には警備会社に依頼しセキュリティを強化しましょう!

空き巣犯が嫌う「透過シート」で足場を囲う

大規模修繕では、落下物や汚れ、騒音等を防ぐ目的でマンションを養生シートで囲みますが、通常は濃い色を使った青や黒、灰色のシート、そして光が反射する白色などを採用しています。

しかし、これらの養生シートは外からは見えにくくなるため、空き巣が侵入しやすい状況となるのです。

そのため「透過シート」を採用すれば外からバルコニーや窓、人が歩く姿も見えやすくさせることができるので防犯対策に最適な訳です。

青や灰色ではなく透過シートを使用できないかどうか、施工業者に相談してみることをおすすめします。

外出時や就寝時、そして在宅時も戸締まりをして空き巣を警戒!

最も基本的なことではありますが、外部からの侵入を防ぐには「戸締まり」が重要です。

外出時にはもちろん、就寝時や在宅時にも窓や玄関の施錠を行うなど大規模修繕期間中は常に空き巣を警戒しておきましょう。

また空き巣の侵入手口は窓ガラスが多く、ガラスを割って侵入するまで5分以内という短さだと言われています。
空き巣犯を諦めさせるにはいかに侵入時間を長くするかがポイントで、戸締まりの他に補助錠や防犯フィルム、アラームを取り付けることでより一層防犯性を高めることができるのです。

ちなみに補助錠は100円ショップでも購入できますが、通常よりも手強い補助錠を選ぶと窓からの侵入を阻止しやすいです。

また、施工業者によっては大規模修繕のサービスの一環として補助錠を無料で貸し出す会社もあるので、事前に管理組合側で確認しておきましょう。

大規模修繕のセキュリティ対策においては、管理組合はもちろん、住民一人ひとりが防犯意識を高く持つことが大切!!

今回は、大規模修繕工事中に起こりやすい空き巣被害に効果的なセキュリティ対策を7つご紹介しました。

防犯カメラの設置や暗証番号付き出入り口、警備員など管理組合が事前に準備しておきたい取り組みはたくさんありましたが、いくらセキュリティ対策を厳しくしても住民の防犯意識が低ければ侵入されやすくなってしまいます。

そのため、大規模修繕工事の実施前には工事工程表を配り、足場や養生シートの設置タイミングを知らせバルコニーや窓の戸締まりを強化させるなど、十分すぎるくらいの防犯対策を呼びかけておくことが大切になります。