大規模修繕工事を行うにあたって業者選定は工事の明暗を分けるとても重要な内容です。
業者選定を誤ってしまうと工事でのトラブルのもとになったり、最悪の場合工事が失敗に終わってしまったりすることもあります。
そこで今回は大規模修繕工事を行う上で重要な業者選定を失敗しない為に大切なポイントについて解説していきます。
大規模修繕工事を行う業者には種類がある
大規模修繕工事を行う業者にはいくつか種類があり、業者によって強みや特色があります。
① ゼネコン系
ゼネコン系の業者は実績の豊富さに加えて知名度が高いのが特徴です。
大手のゼネコンに関しては大規模修繕工事に関わったことのない人でも名前を聞いたことがあるくらいの認知度があるところもあります。
ですがその一方で下請けの企業に任せっきりになってしまい、その分費用が膨らんでしまったり、品質の見極めがしづらかったりするデメリットもあります。
② 管理会社系
管理会社系の業者は普段からマンションの管理などを行っている為、居住者に対する対応がスムーズなのが特徴です。
ですが、ゼネコン系と同様に品質の見極めが難しかったり、料金が不透明だったりすることがデメリットとして挙げられます。
③ 専門業者
専門業者はその業者によって得意分野が異なりますが、実績のある専門業者に関しては施工の品質も優れていたり、ある程度コストを抑えたうえで工事を行うことができたりします。
大規模修繕工事の業者選定方法
大規模修繕工事の業者選定には3つの種類があり、それぞれの方法によってメリットデメリットがあります。
大規模修繕工事の業者選定方法 ① 入札方式
入札方式は用いられることの多いメジャーな業者選定方法のひとつで、マンションの管理組合が提示した条件に沿った見積もりを各業者が提示し、最も低い価格を提示した業者を選ぶというものです。
この業者選定方法の場合、価格を最重要視するため、必然的に他の業者と比べて低い価格を提示しようとし、結果費用の低下率を競わせることができます。
ですが、複数の業者の見積もりを一気に比べないといけないため、膨大な時間を要してしまったり、価格を低くしたことで工事の品質低下を引き起こしてしまったりする可能性もあります。
大規模修繕工事の業者選定方法 ② 見積合わせ方式（公募型プロポーザル方式）
見積合わせ方式は別名公募型プロポーザル方式と言い、工事の内容や価格、さらには開示に対する姿勢などを総合的に見て業者選定をする方法です。
この業者選定方法の場合、管理組合が選定した業者の見積もりのみの依頼で済むため、無駄な工数の削減が可能です。
ですが入札方式と異なり、見積もりや工事の内容、さらには工事の範囲などが業者ごとに変わってしまうことがあるので注意が必要です。
大規模修繕工事の業者選定方法 ③ 特命随意契約方式
特命随意契約方式は複数の業者を比較するのではなく、はじめから管理会社などにつながりのある業者に任せる方法です。
この業者選定方法は提示した予算や条件などをクリアしていれば時間をかけずに比較的スムーズに行うことができます。
ですがこの業者選定方法の場合は競争が発生しない為、任せた業者に足元を見た見積もりを提示されてしまう可能性もあるので注意が必要です。
大規模修繕工事の業者選定方法で大事なポイント
業者選定方法のポイント ① 価格やサービスなどのバランスを確認する
それぞれの大規模修繕工事にあたって重要視するポイントは異なるかと思いますが、極端に価格が安かったり、工事内容が偏っていたりするものには注意が必要です。
自分の大規模修繕工事に近しい事例の費用や内容を予め調べておき、工事に適した適正価格の業者選定を行いましょう。
業者選定方法のポイント ② 業者の直近の施工実績などを確認する
大規模修繕工事は長期間にわたり、とても大掛かりなものになり、その中で予想外の事態が発生する可能性もあります。
その予想外の事態に対応できるかどうかはその業者の実績が大きく関わってきます。
その為、その業者が直近でどのような工事を行っているかの実績をチェックし、自分たちが行う大規模修繕工事に近しい規模の実績があれば参考にしましょう。
業者選定方法のポイント ③ 工事を行う現場監督の人柄を確認する
大規模修繕工事を行うにあたって今までの工事の実績や行う工事の内容も大事ですが、大規模修繕工事中に最も居住者と近くなる作業員の意識もとても大事になってきます。
円滑なコミュニケーションやクレームへの迅速な対応などが求められるため、ヒアリングを行う際には現場監督にも同席してもらって大規模修繕工事に対する意識やコミュニケーション能力の有無なども確認しましょう。
業者選定方法のポイント ④ 工事の保証やアフターサービスの内容を確認する
大規模修繕工事において工事後の保証やアフターサービスはとても重要です。
もし工事直後は問題なかったとしてもそののちに何かトラブルが起こる可能性もあります。
保証やアフターサービス自体はついている業者がほとんどですが、その内容は業者によって異なる為、予め内容をチェックしてより内容が充実した業者を選びましょう。
大規模修繕工事の業者選定ポイントを理解して失敗のない工事を目指そう
残念なことに大規模修繕工事を行う業者の中には不誠実な対応を行ったり、杜撰な工事を行ったりするところも少なくありません。
自分の身を守るという意味でも事前の調査は徹底したうえでポイントを押さえ、失敗のない大規模修繕工事の業者選定を行いましょう。
