大規模修繕工事は足場を組んだりさまざまな機材を使用したりするため、不慮の事故が突然起こってしまう可能性があります。
また、膨大な量の作業工程がある中で注意力が散漫してしまい、小さいミスが大きな事故へとつながってしまうことも十分に考えられます。
事故の種類は小さいものから大きいものまでさまざまですが、事故は起こってしまってからでは遅いのです。
そこで今回は大規模修繕工事を行うにあたっての事故のリスクと、事故を起こさない為の必要な対策についてご紹介していきます。
目次
大規模修繕工事での事故は実際に起こっている
皆さんは2016年に起こった、通行人である第三者を巻き込んでしまった大規模修繕工事中の死亡事故をご存じでしょうか。
この事故では建物の9階部分から落下した鉄パイプが通りがかりの男性に直撃し、命を奪ってしまう事態にまで発展してしまいました。このような事故はもう二度と起こしてはなりません。
上記のような大規模修繕工事に関係のない第三者を巻き込んでしまう事故が起こるのはとても稀なことではありますが、これ他にも作業員の足場等からの落下事故、物品破損などの事故は日々大規模修繕工事の現場で起こってしまっています。
また、特にマンションやアパート、集合住宅での大規模修繕工事はそこに住む住人が日々の日常生活を送るなかで行われます。
大規模修繕工事に関わる関わらない問わず、すべての人が何事もなく工期を終えることが建物の修繕の他にとても重要なことだと考えます。
大規模修繕工事で事故を起こさない為の対策
大規模修繕工事においての事故を起こさない為には事前の対策が必須となります。
細かい対策をしっかりと徹底することで最悪の事態を回避することにつながる為、以下の内容はしっかりと行いましょう。
また、これらの対策を通じて不安箇所が見受けられた場合には気づいた段階ですぐに計画の見直しや作業の見直しを行うことが大切です。
大規模修繕工事の事故対策 ① 安全計画の作成
大規模修繕工事で事故を起こさない為に、まず安全計画の作成を行います。
安全計画の作成では足場の設置や警備員、安全通路の配置などを「仮設計画」にて計画し、安全管理体制やその作業所でのルールなどを「安全衛生管理計画」にて計画を行います。
大規模修繕工事の前に事前にその工事の安全の基盤を整えておくことで事故の起こる確率を最小限にとどめることができます。
大規模修繕工事の事故対策 ② 日々の安全行動の徹底
毎日の安全への意識が事故発生の確率を減らすことに繋がります。
例えばその現場に新しく入る作業員にその現場のルールを教える「新規入場者教育」や毎日起こりうる可能性のある危険について対策を考える「危険予知活動」、毎朝の朝礼で作業内容や注意事項の作業員間での共有を徹底することなどが挙げられます。
毎日のことなのでおろそかになりがちですが、小さな行動が事故の対策に大きくつながるので意識して取り組みましょう。
大規模修繕工事の事故対策 ③ 定期確認
定期確認では工事に用いられている足場の点検や、そこの現場で今動いている作業員の作業状況などを定期的に確認します。
ここで重要なのが「複数の人の目を通して確認を行うこと」です。
どうしても人は自分自身が行った箇所に関しては「自分が行ったから大丈夫」と過信しがちです。その為、チェックリストなどを設けて複数人の人の目で確認を行うことで見落としを防ぐことができます。
大規模修繕工事の事故が起こってしまったときの為に保険について知っておこう
大規模修繕工事の中で事故が起こらないようにしっかりと対策を行っていたとしても事故が起こってしまう可能性は捨てきれません。
もし事故が起こってしまった場合に備えて事前に大規模修繕工事に関わる保険について知っておくこともとても重要です。
< 大規模修繕工事瑕疵保険 >
大規模修繕工事瑕疵保険は大規模修繕工事を行う際に施工会社が加入する保険で、工事を行った構造部分や防水、給排、電気部分などのキズや欠点、その他法的な欠落や欠点に対して補償される保険です。
< 工事保険 >
工事保険は施工業者が加入する保険で、建設工事における賠償保険と言われています。
さまざまな種類が設けられており、それぞれ保障される内容や補償金額などが異なります。
対人保証や対物保証は大規模修繕工事においてとても密接にかかわってくる内容の為、どのような保険に加入している施工業者なのかを施工業者の選定の際に気を付けてチェックしましょう。
大規模修繕工事の事故対策を事前に行って事故が起こるリスクを最小限にとどめよう
大規模修繕工事は多くの人が関わる分どうしても事故が起こりやすい環境になってしまします。
少しでも事故の発生リスクを抑えるためにも事前の対策がとても重要です。ですが一人が事故に対して意識を持っているだけでは対策には繋がりません。
その場にいる全員が事故に対する意識を持ったり対策を行ったりすることでリスクを最小限に抑えることができるので徹底していきましょう。