大規模修繕工事における外壁塗装の目的は?使用する塗材や注意するポイントを解説

大規模修繕工事の中でも建物の見た目を大きく左右する外壁塗装は工事においてとても重要な工程となります。
また、外壁塗装は見た目の修繕を目的とするのは勿論のこと、その他にもさまざまな役割を担ってくれる大切な工程の一つです。

そこで今回は大規模修繕の中の工程のひとつである外壁塗装の目的や注意するべきポイントについて解説していきます。

大規模修繕工事における外壁塗装ってどんなのもの?

外壁塗装とはその名の通り建物の外壁を塗装によって修繕していくものではありますが、単に壁に塗装を行えばよいというものではありません。
外壁塗装は他の工事と比べて比較的工程が多く、さらには膨大な種類の塗料がある中で工事の目的に合わせて慎重に選択をしなければなりません。
また、外壁塗装は天候にも左右される工事の為、天候が悪い日と重なってしまった場合は日程をずらさざる負えなくなってしまい、さらに期間が延びてしまうこともあります。

大規模修繕工事における外壁塗装の目的は?


大規模修繕工事の中で外壁塗装を行う目的は主に2つあります。

・外壁塗装の目的 ① 建物の景観向上
大規模修繕工事における外壁塗装の大きな目的の一つは建物の景観を向上させることです。
建物は劣化が進むと塗膜にツヤが無くなり、変色や色褪せ、ひび割れ、最終的には塗膜の剥がれを引き起こします。さらに塗膜の剥がれが生じてしまうと建設当初の景観と異なり、見栄えが悪くなってしまいます。これによって建物の資産価値にも影響が出てしまう可能性が大いにあるので外壁塗装を行い、資産価値の維持や向上につなげる必要があります。

外壁塗装の目的 ② 建物の保護
大規模修繕工事における外壁塗装の大きな目的のもう一つは雨風などの自然環境から生じた塗膜剥がれが招くコンクリートや鉄筋などの損傷を防ぎ、建物を保護することです。
外壁が損傷することにより、そこから繋がっているコンクリートや鉄筋にも被害が拡大することがよくあります。
そのような二次被害を防ぐためにも大規模修繕工事において外壁塗装は必要なものとなっていくのです。

上記の2つの目的のために約12年に一度行われる大規模修繕工事の内容に外壁塗装が組み込まれています。

大規模修繕工事全体の目的やメリットについてはこちらをチェックしてください!

大規模修繕工事に用いられる外壁塗装にはどのような塗材が使われる?


大規模修繕工事の外壁塗装に用いられる塗材には下記のように種類があります。

外壁塗装の塗材 ① アクリル塗装
アクリル塗装は約30年前に主流だった塗装で、1缶当たりの価格が最も安価とされています。
また、付着力が強いのが特徴で重ね塗りがしやすいことから重宝されてきましたが、耐用年数が短いもので5年程と短いため、現在は別の塗材が用いられていることが多いです。

外壁塗装の塗材 ② ウレタン塗装
ウレタン塗装はアクリル塗装と同様に30年ほど前に主流だった塗装で、ひび割れのしにくさと光沢感が特徴です。
ですが紫外線などの環境による劣化が進みやすい塗料の為、現在用いられることは少なくなっています。

外壁塗装の塗材 ③ シリコン塗装
シリコン塗装は大規模修繕工事のサイクルである約12年の期間と塗料の耐用年数が近いこともあり、現代で最も用いられている塗装となっています。
紫外線に強く、汚れをはじく性質を持っているためアクリル塗装やウレタン塗装と比べて少し高額ではありますが、塗り替えのサイクルを考えるとコストパフォーマンスに長けた塗料です。

外壁塗装の塗材 ④ フッ素塗装
フッ素塗装は紫外線や汚れにも強く、カビや藻も発生しにくい優れた塗装で、耐用年数も15年~20年と他の塗料と比べても持ちが良い塗料です。
価格は最も効果ではありますが、大規模修繕工事のサイクルと少しずれが生じてしまい、他の工事とのタイミングが合わないことがあるため、選ばれることは少ないです。

塗材は基本的に耐用年数と価格は比例するとされています。
また、それ以外にも塗材によってそれぞれ特徴があるので建物に応じた選択を行ってください。

大規模修繕工事の外壁塗装で注意するべきポイント4つ

① 既存で塗られている塗材と新たに塗る塗材の相性を確認する

どれだけ良い塗料を選んだとしても、もともと建物に塗られている塗材の上に上塗りできる塗材でないとわざわざ既存の塗材を除去してから新たに塗布することになってしまいます。
工数の削減などを考えている方は工事前に既存の塗料と新たに塗布する塗料の相性をしっかりと確認しておきましょう。

② 既存で塗られている塗材の状態を確認する

既存の塗材の種類以外にも、状況によって上塗りするか新たに塗り直すかの判断が必要となります。そのため、大規模修繕工事の前に行う建物診断の段階でしっかりと既存の塗材の状態を確認しておく必要があります。

③ 塗材の塗り回数や材料を確認する

本来外壁塗装は3回塗りをすることが決まっていますが、中にはそれを2回や1回で済ませようとしたり、契約時に決めた塗材と異なる塗材を使用しようしたりする業者がいることもあります。
その為、大規模修繕工事が行われる前や途中の途中の段階で工事の進捗をしっかりと確認しておく必要があります。

④ 外壁塗装の工事中に発生する臭い対策を行う

外壁塗装の工事中は塗料からシンナーの臭いが広がります。
窓を閉め切っていても場合によっては室内にそのシンナー臭が入ってくる可能性があるので、その場合は工事を行っている時間他派外出するなどの対策を取りましょう。

まとめ

大規模修繕工事における外壁塗装は建物の印象を大きく左右するため、とても重要な内容になってきます。
使う塗材や工事期間の注意事項などを予め業者としっかり相談しておくことでトラブルの発生を最小限に防ぐことができるため、しっかりと事前の準備や確認を行い、失敗のない外壁塗装工事を行いましょう。